2010年もスタートして早5日目。NYは相変わらず日中も氷点下の日が続いています。
さて、大興奮したMariahのカウントダウンコンサートの後は、家に戻り昨年同様Skypeで双方の実家に年始のご挨拶。 皆元気そうだったのが何よりでした。 特にこの年末は、下の甥っ子がギリギリまで入院、というアクシデントもあったので、家族揃ってお正月が迎えられることに殊更ありがたさを感じます。 感謝の念を抱きつつ午前3時過ぎに幸せな気分で初眠りについたのでした。 そういえば、今年日本ではアンラッキーな年末年始休暇だったのですよね? アメリカは正反対で、ラッキーな年でした。 というのもこちらでは年末年始の休みは1月1日の1日のみ。なので今回はそれが金曜日にあたり3連休に! 普段日曜出勤していて週休一日で働いている夫も、今回ばかりは日曜日もお休み。 よってゆっくり、のんびりできるお正月となったのです。 そんなわけで、今年はおせち料理作りに俄然力が入りました。 なんせ3連休なので、私だけが食べ続けるという心配もありません(笑) で、こちらがそのおせち料理が並んだ元日の朝のテーブル。 作ったのは17品。市販のもの(かまぼこ、大トロ、明太子、そして母が送ってきてくれた栗鹿の子♡)4品を加えて計21品。 お正月の朝、お重に詰めるのに四苦八苦。見栄えよく詰め込むのは至難の業だということを実感しました。 でも写真をとったから来年は楽かしら? (昨年も作って重箱には詰めたのですが、品数が少なかったのでスカスカ。よって参考にならず・・・。) ではその品々をお披露目。それぞれに込められた意味も改めて調べてみたので併せて記しておきます。そしてそれを盛り付けた器たちについても一言、二言。 <一の重> ●海老のうま煮 長寿祈願。私は海老嫌いですが、夫は大好き。海老が入ると華やぎますね~。 ●田作り 豊作願い。胡麻をたっぷり入れて作りました。 美味しくて体にいい食べ物の代表のような気がします。 ●胡瓜の中華風漬けもの 意味はなし。箸休めに作っています。 ピリ辛胡麻油の味がおせち料理の合間のいいアクセントになってくれます。 ●たたき牛蒡 これも豊作願い。本当は白胡麻でつくるのですが、美味しいすり胡麻が黒しかなかったのでこんな色に。 ●蓮根の金平 先見の明が持てるように。我が家では食感を楽しみたいので縦切り。 穴がなくなってしまうのですけどね^^; 穴付きはお煮しめの方で。 *仕切りにつかった緑、これはモミの枝葉なのですよ。うらじろ、南天、熊笹、松などが手に入らなかったので代用です。 <二の重> ●伊達巻 知識増量祈願。はんぺんを使って出汁たっぷりに。 フードプロセッサーがあると驚くほど簡単に作れるものなのですね。 ●紅白なます 紅白水引を連想。目出度いことにつながるのだとか。 昨年と違い柚子をたっぷり使って作ったので美味しくなりました。 ●スモークサーモンの奉書巻 これも知識増量祈願。大根のかつらむきが思いの外大変でした。 スモークサーモンは大好きなゼイバースで♪ ●鶏の松風焼 これは意味を調べて驚きました。芥子の実を振った表面が賑やかなのに対し裏がひっそり寂しい。よって、「うら寂しい松風の音」を連想させるために『松風焼』と言うのだとか。表側は華やかなのでおせち料理の仲間入りなのでしょうか。『のし鶏』とも呼ばれますね。芥子の実は手に入らなかったので白胡麻で代用。 ●金柑の甘露煮 富や財宝に恵まれるようにの意。金柑=金冠と呼んでのことらしい。 NYはとにかく乾燥が激しく喉を痛めがちなので風邪対策にも効くはず。切り込みを入れ、縦に潰すとまさに”金冠”。 *この手つき重箱は飛騨春慶塗のもので小ぶりです。5年前に下北沢の古道具屋で求めました。 2段と3段のものがあり、迷いに迷って2段にしたのですが、今思うと2つ購入してもよかったなあ、と後悔。 なんせ2,000円と3,000円だったのですから。 まあ両方とも手付きだったので、収納場所を考えて購入に踏み切れなかったのですけれどね。 軽くて可愛らしく、且つ色合いが華やかなのでお正月以外にも重宝しているものです。 ●お煮しめ 一緒に煮ることから”家族仲良く一緒に結ばれる”という意味があるのだとか。 美しく作るには、それぞれ個々に煮るのですが、私はえいやっと一緒に煮てしまいました。その結果高野豆腐が惨憺たる姿に・・・。 せめてこれだけは別に煮るべきだと痛感。思えば母は丁寧に別々に煮ているなあ。そう教えてもらったはずなのに(汗)。 でも意味を調べたらこれでもいいか、と後から辻褄あわせ。 ・大根 ・人参(飾り切りがこんなに大変なものだとは・・・。) ・蓮根(穴付き!) ・里芋 ・椎茸 ・牛蒡 ・高野豆腐 ・鞘豌豆 ・・・・手綱蒟蒻を作り忘れてしまいました。 ●栗鹿の子 蜜漬栗に栗あんをからめた、栗尽くしのきんとん♡ 母が航空便で送ってくれました。私の実家は酒飲みが多いのでおせち料理の中でも作る手間がかかる割には栗金団の売れ行きが悪かったため、いつしか栗鹿の子を少し、が定番になっています。 本来は黄金色に作るので金塊に見立て、『豊かな生活が送れるように』との意味が込められているそうです。栗鹿の子は地味な色なので金箔を塗して祈願。 ●蒲鉾 NYでは蒲鉾も美味しいものとなると、すっかり高級品並みの値段になります。紅白で目出度さを強調したいけれど2本買うと多すぎる・・・。ということで紅蒲鉾のみにして(1本で紅白兼ねるし♪)、手綱の飾りをつけました。 もちろん鯛入りです(笑) *お煮しめと共に入れているこの容れ物は弁当箱。松花堂弁当箱が欲しいなあ、と思っているときにやはり下北沢の古道具屋で出会いました。これはコンパクトだし、積み重ねもできるので2個とも購入。本当は4つ欲しかったけれど、その後出会いはありませんでした。 ●黒豆 まめに働き、まめ(健康)に暮らせるように。甘党の夫に合わせて夫の実家風に甘く煮ています。私の実家は父が辛党なので柚子や生姜をたっぷり入れて甘辛く、固く煮るのです。型破りな黒豆なのですがこれが美味しいのですよ。辛党の私は母の作った黒豆が食べた~い!! ●松前漬 「松前」の名前の通り、松前藩の郷土料理が発祥で、おせち料理には数の子も入れて子孫繁栄を願うのだとか。 これも美味しい美味しい、私の実家定番のスルメと昆布を母が送ってくれたので、人参と唐辛子と併せて醬油、味醂そして日本酒と共に漬けこみました。 これがもう日本酒のアテに絶品なのです。クイクイすすんでしまって困りもの、と言いながら嬉しがっています。 *この2つの黒白の器は六本木の陶磁器を売るお店で購入。作家物だったのでそれなりにいいお値段でした。 黒か白、どちらにしようか長時間熟考していたら一緒に来ていた母が、『そんなに悩むなら2個とも誕生日プレゼントで買ってあげるわよ。』 なんと嬉しいお言葉!!気が変わらぬうちにと買い求め、現在に至ります。あれからもう7年。今では普段の食卓でも大活躍。母上様、感謝です。 ●数の子 子孫繁栄祈願。これは・・・我が家はすっかり人任せです^^; たっぷりのお出汁に2日間じっくり漬け込んだのでしっかり味が浸透していました。 ●鯛の昆布〆 言わずと知れた”目出鯛”にかけて。それと昆布〆には”絆を締める”という意味もあるようですね。美味しい魚が手に入るところを知ったので苦なく作れるメニューになっています。 ●〆鯖 意味はなし。酢の物としてあると華やぐので作りました。これも新鮮な鯖(目がキラキラ!)が手に入るようになったので、よく作るもののひとつ。普段は〆サバのまま食べるのは勿論、炙りにしたり、焼き鯖棒寿司にしています。因みに棒寿司は夫の大好物です。 ●明太子 子孫繁栄祈願の意味を込めた・・・訳ではないのですが、魚卵はすべてそれに繋がるようですね。 ●大トロ 意味はなし。食卓が華やかになるのと美味しいのとで入れています。こちらでは安く手に入るのでそれも嬉しい。 *食卓がぐっと華やかになるこの萩焼の平丸大皿。夫の母が使ってね、と譲ってくれたものです。やはり作家もので、桐の木箱に入っていて高級感を醸し出しています。お刺身を盛ると本当に美味しそうに見えますよね。お義母さま、ありがとうございます! ●豚の角煮 意味は・・・調べたけれど判らず。沖縄のおせち料理には必ず入るようですね。 ご馳走感があるからなのでしょうか。 以前の記事にも書いた通り、こちらでは皮付き豚バラ塊肉が簡単に手に入るので日本で作っていた角煮よりずっと美味しく、トロットロに出来ます。 そしてこれも夫の大好物。 *赤絵の四角皿は美濃焼 蔵珍窯のもの。結婚祝いで頂いたものです。 お正月には必ず、また食卓を明るくしたい時に使っています。 赤絵は、地味色の食べ物をも華やかで目出度さ溢れる一品に変えてしまう威力を持っていますね。 ●お屠蘇の代わりには菊水の辛口を。(写真撮り忘れ) 酒器は以前萩津和野を旅した義母からのお土産。 そしてお猪口は二人で旅した備前で求めた赤備前と青備前。 ●お雑煮 ・鶏ささみ、ほうれん草、きぬさや、なると、餅、柚子 (あまりにもビジュアル無視の盛り付けのまま撮ったので拡大写真はなし。全体写真に写っています。) *お椀は軽井沢の漆器店で購入。これも8年前母からの誕生日プレゼント。 普段からうどんにラーメンに、と大活躍。漆器は熱いものを入れても手が熱くならないのがいいですよね。 こうして調べたり、思い返しながら振り返るのもなかなか面白いですね。これはブログに書いているからこそ? 夫はと言えば、こちらが期待していた以上に感激してくれました。 丁度盛り付け終わった食卓を見ての第一声は、 『凄いよ!豪華だ!日本のお正月だよ!!よく頑張ったね~!!!』 ・・・この言葉で充分報われた感があります。そう、作り手としては喜ぶ顔がみたいのです。(おっと、強制してはいけない、いけない) 『こんなにちゃんと作るのだったら、良い重箱を買ったほうがいいよ。』、とまで言ってくれました。おおっ! でもそこからが大変。写真を撮りたい私と早く食べたい夫との鬩ぎ合い。焦って撮った写真の出来はと言えば、・・・頭で思い描いていた写りと違うような。 まあ記録写真にはなるのでよしとしよう。 おせち料理。自分で作るとなるとこんな風に一大イベントになるのですね。 NYに来たことにより、『正月におせち料理が食べたいなら自分で作るしかない!』、ということで、昨年初めておせち料理を作ったのですが、まだ越してきて2カ月。 12月上旬に届いた船便を片付けたら、すぐにお正月の準備だったこともあり、大慌てでの準備でした。 材料の仕入れ場所のもまだよくわかっておらず、エイヤッ、と、全て日本食スーパー1か所で済ませたため、思い通りのものを仕入れることも出来ず、無しで済ませてしまったものもありました。 それでも何とか形になる程度に作ることができたのは、今までちゃんと『お正月にはおせち料理』の風習が両実家にあったからです。 (左は昨年の元旦の食卓) 思えば日本では全て双方の母親任せ。働いていたことを理由に殆んど手伝いらしい手伝いもしなかったような気がします。 毎年元日には、午前に私の実家、午後に夫の実家に行き新年の挨拶を交わし(これは実家同士が近いからこそ組めるスケジュールですね^^)、二人が作ってくれたおせち料理に舌鼓を打つ、と、専ら食べ手に専念していた私でした。 でも、家族を想って作る心尽くしの美味しいおせち料理を何年も食べてきたお陰で、舌が味を覚えています。 昨年にしても今年にしても、だからこそ作ることが出来たのだと思っています。 両母には本当に感謝です。 こうして元気に新年を迎え、ご馳走を食べて始まりました。 今年もたくさん笑顔になれる、そんな1年にしたいものです。
by yayanonn
| 2010-01-06 05:14
| 我が家の食卓
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